めぐり逢えたら(1993・米)

出演 :  トム・ハンクス

      メグ・ライアン

 

シアトルに住む建築家のサム(トム・ハンクス)は、最愛の妻に先立たれ、失意の日々を過ごしていた。

そんな父のために、8歳の息子ジョナは、ラジオ番組で「パパに新しい奥さんを探してあげて」と訴える。

ラジオを聞いていたボルチモアの新聞記者アニー(メグ・ライアン)は、亡き妻への深い愛を語るサムに、心惹かれていく・・・

 

 

 

その後の展開・・・

シアトルとボルチモアでの遠距離恋愛。

ましてやアニーは「パパの新しい奥さん候補」なのですから、きっと短い交際期間ですぐに結婚に至るでしょう。

アニーは、婚約者がいたにも関わらず、運命の出会いを信じてサムを選びました。

サムもまた、亡き妻同様に、アニーに対して運命を感じたのです。

そんな二人に結婚生活の危機が訪れるとしたら、それは「理想と現実とのギャップ」から起こるのではないでしょうか?

 

アニーは、ケイリー・グラントとデボラ・カーの「めぐり逢い」が大好きで、ほのぼのとしたCMに涙してしまうような、ロマンチストです。

アニーは初婚ですし、恋愛期間が短いこともあって、おそらく甘い新婚生活を夢見ているでしょう。

一方サムは、朝は目覚ましの音で飛び起き、ジョナに身支度をさせ、朝食やランチの支度をして学校に送り出し、自分も出社する…という日常を送ってきました。

本来なら、二人きりの新婚時代があって、子供が生まれ、少しずつ日々のリズムが出来てくるのですが、この二人の場合、アニーがサムとジョナの日常に合わせる形で、生活が始まっていくでしょう。

サムにとっては、二回目の結婚生活です。

離婚ではなく死別ですから、想い出は美しいまま残っています。

亡き妻とアニーを、無意識に比べてしまうこともあるかもしれません。

そして、二人の結婚を祝福してくれたジョナも、いつまでも可愛らしい8歳の男の子ではいません。

反抗することもあるでしょう。

時には「ママならこうは言わなかった」「新しいママに選ばなければ良かった」くらいのことは、言うかもしれません。

 

サムは、妻を失った経験があり、その喪失感も十分に理解しています。

多少の不満があったとしても、離婚を考えるということはなさそうです。

ですがアニーは、違います。

「もしかして、サムは運命の人ではなかったのかしら」と感じてしまえば、別れを切り出すのに、抵抗はないでしょう。

 

 

では、二人が円満な家庭を築くのにはどうしたらいいのでしょうか?

 

サムへのアドバイス

大切なことは「アニーは亡き妻とは違う」ということです。

「彼女はこうしてくれた、こうだった」といちいち比べていては、新しい家庭は築けません。

パートナーが違えば、作り上げていく家庭もまた、違ってくるのです。

亡き妻と作った家庭にアニーを当てはめるのではなく、アニーと共に、二人の理想の家庭を築いてください。

そしてアニーに対して、ロマンチックな演出をすることは、とても効果的です。

二人の記念日はもちろん、たまには花束を買って帰るとか、二人きりのデートをしたり、ワインを飲みながら「めぐり逢い」を鑑賞したりするのもいいかもしれません。

そんな些細なことでも、アニーにとっては、自分の選択が間違ってなかったという大きな確証になるでしょう。

 

アニーへのアドバイス

忘れてはならないのは、あなたは結婚と同時に母親になったということです。

もちろん、そんなことは重々承知のこととは思いますが、それでも改めて胸に刻んで下さい。

サムには、いままでジョナと過ごしてきた、生活のリズムがあります。

普通、結婚生活はお互いの歩み寄りによって築いていきます。ですが、幼い息子がいるサムに、あなたのライフスタイルを押しつける訳にはいきません。

自然とあなたが妥協しなければならないことが、多くなります。

その生活のリズムの中には、亡くなった奥さんの存在を感じることもあるかもしれません。

あなたにとっては辛いかもしれませんが、サムにとってもジョナにとっても、それは大切な想い出なのです。

あなた自身も、その想い出に心打たれたからこそ、今があるのではありませんか?

そんな二人の想い出を、あなたも大事にしてあげて下さい。

これから、ジョナも反抗期を迎えます。

あなたに心ないことを言ってしまうことも、あるかもしれません。

でも、そんな時でも自分を母の想い出と共に受け止めてくれたあなたとなら、きっと信頼関係は揺らぐことがないでしょう。

 

出会いは運命だったかもしれません。

ですが、その愛を守り、育てていくのは二人の努力なのです。

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