危険な情事　(1987・米)

出演：マイケル・ダグラス

　　　　　　グレン・クローズ

　　　　　　アン・アーチャー

弁護士のダンは、妻のベスと娘のエレンと平穏な生活を送っていた。

しかし、妻と娘が里帰り中に参加したパーティーで、雑誌編集者のアレックスと知り合い、肉体関係を結んでしまう。

ダンにとっては一夜限りの浮気であったが、、アレックスはそれを運命の出会いと思い込み、ダンに執拗につきまとい始める…

映画では、ダンの家に侵入したアレックスがナイフでべスに襲い掛かり、それを阻止しようとするダンと揉み合いになります。

そして最後は、べスがアレックスを銃で撃ち殺すのです。

ラストシーンは、アレックスの魔の手から逃げ切った家族三人が抱き合う傍らの、平穏だった頃の家族写真のアップで終わります。

しかし、家族の危機は本当に去り、元の幸せな生活に戻れるのでしょうか？

ダンは、初めから軽い気持ちで関係を持ち、家庭を壊すつもりは更々ありませんでした。

事件後しばらくは、侵略者から家庭を守った、同志のような思いで暮らしていかれるでしょう。

でも、死の恐怖を味わい、正当防衛とは言え殺人を犯してしまったべスが、はたして今までのような夫婦関係を続ける事が出来るでしょうか？

残念ながら、この結婚を維持することは、とても難しいでしょう。

それは、ダンが浮気をしてしまったからでも、その浮気相手が

ストーカーと化して、家族に被害を与えたからでもありません。

もちろん、それらは結婚のほころびの要因ではあります。

しかし何よりも修復しがたいのは、あなたが、あなた自身の手で、その問題を解決できずに、結果、べスに罪を犯させてしまった点にあります。

べスのしたことは、正当防衛ですし、罪に問われることはないでしょう。

だからといって、べスが、心に十字架を負わない訳ではありません。

あなたは、あなたが解決すべき問題を、べスに背負わせてしまったのです。

あなたの今後為すべきことは、べスの心の傷をいかに癒してあげられるかに尽きると思います。

そして、べスがあなたと一緒に居ることで、悪夢を忘れられなかったり、あなたを憎むようになった時、べスが離婚を望んだときには、黙って意向を汲んであげることです。

一緒に居ることで、お互いを傷つけてしまうこともあります。

憎しみでいっぱいになってしまう前に手を離してあげる事が、あなたにできる唯一の贖罪かもしれません。