昼下がりの情事 (1957・米)
出演: オードリー・ヘップバーン
ゲイリー・クーパー
パリの音楽学校でチェロを学ぶアリアーヌ(オードリー・ヘップバーン)は、私立探偵である父と二人暮らし。
ある日、プレイボーイの大富豪フラナガン(ゲイリー・クーパー)の資料を見たアリアーヌは、彼に恋をしてしまう。
しかし妻の素行調査に来た依頼人が、フラナガンと妻との浮気を知り、ピストルを持って密会現場に向かってしまう。
先回りしたアリアーヌの機転により難を逃れたフラナガンは、アリアーヌに興味を持ち、彼女を誘う。
プレイボーイのフラナガンに合わせるため、アリアーヌは盗み見た探偵資料を元に、遊び慣れた女を演じ、彼を翻弄するが…
その後の展開…
プレイガールだと思っていたアリアーヌが、実は恋愛経験もなく、背伸びをして自分と付き合っていたと知るフラナガン。
彼女の父親の言葉を受け入れ、別れを決意します。
しかし、駅まで見送りに来たアリアーヌの涙を見て、走り去る汽車に、彼女を抱きあげて乗せてしまう…
ラストは「ふたりは結婚してNYで暮らしている」という、父親のナレーションで終わっています。
この映画が公開された当時、ゲイリー・クーパーは56歳、オードリー・ヘップバーンは28歳でした。
19歳の設定のアリアーヌを28歳のオードリーが演じたのですから、フラナガンの年齢設定もゲイリー・クーパーの実年齢よりも若かったのかもしれません。
それにしても、30歳近い年齢差の設定だったでしょう。
今、何かと話題の年の差婚ですが、このふたりは幸せに暮らせたのでしょうか?
まず、ふたりの間に起こりうる危機として、フラナガンの浮気が考えられます。
今まで遊びの恋しかせず、独身を貫いてきた彼がアリアーヌと結婚したということは、大きな変化です。
プレイボーイは卒業するという、覚悟を持って結婚したことでしょう。
しかし、そう簡単に今までの自分を捨てられるでしょうか?
妻としてアリアーヌを得て、安定した暮らしの中で、再び刺激を求めないとも限りません。
また、アリアーヌもあまり世間を知らず、19歳という若さで人妻になりました。
夫は、老いていく一方です。
自分が家庭に閉じ込められているように感じ始めるかもしれません。
夫と別れて、第二の人生を求める危険性もあります。
歳の差を越えて、共に歩んで行くためには、どうすれば良いのでしょうか?
アリアーヌへのアドバイス
あなたは、30歳も年上の初恋のフラナガンと結婚しました。
19歳のあなたにとって、彼はとても魅力的でしょう。
リッツの一室で楽団を呼び、シャンパンと共に甘い時間を過ごす…
若い恋人の経済力や経験値では、こんなロマンチックな演出は出来ません。
おそらく、結婚生活においてもそうでしょう。
実業家として成功しているフラナガンですがら、経済的に不自由はありません。
安定した、そしてあなたの好奇心を満たすことのできる生活が送れるでしょう。
そんな生活が成り立つのも、今までの彼の努力や経験の
賜物だということを、忘れてはいけません。
彼のかつての女性遍歴に嫉妬するのは愚かなことです。
過去に星の数ほどの女性がいようとも、妻はあなたひとりだけだということに、
誇りを持ってください。
フラナガンへのアドバイス
若いふたりが結婚した場合、共に経験し、共に成長する過程で、ふたりの絆が深まっていきます。
ですが、もう人生の半分以上を生きてきたあなたが、今更、19歳のアリアーヌと共に成長することは出来ません。
アリアーヌは、好奇心も探究心も旺盛な女性です。
人一倍、さまざまなことに興味を抱くでしょう。
間違った選択をしたり、失敗することもあると思います。
しかし、その度に、あなたが嫉妬心や老婆心で彼女の行動を制約してしまったら、彼女の可能性や未来を奪うことになります。
半分は夫の目線で、もう半分は父親のような目線で、大きな愛で包んであげて下さい。
そして、あなたが一番心がけなくてはいけないのは、女遊びからは、完全に卒業するということです。
あなたは、もう十分に独身生活を謳歌してきました。
気持ちを切り替えて、家庭人としての新たな人生を歩んで下さい。
「愛があれば年の差なんて関係ない」ということはありません。
愛すればこそ、相手の年齢や今までの人生に敬意を持つべきです。
歳の差の分だけ、より相手への思いやりを忘れてはならないのです
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